【妊活】女性に知ってほしい子宮外妊娠の話③(体験談・手術から術後まで)

こんにちは!

看護師おかゆです( ´ ▽ ` )

今回はこちらの記事の続きをお話していこうと思います◎

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緊急手術

手術室へ

21時45分入室と言われましたが、実際は22時過ぎていたかな?

(流石に準備が間に合わなかったw)

車椅子で手術室へ運ばれ夫と別れてから、入室前に名前や手術部位を看護師や医師と確認。

手術台に上がり、浴衣を脱ぎ仰向けに。

「1個500円のカヌレ食べたんだって〜?せっかく食べたのにごめんね!」

麻酔科の先生に言われ、主治医喋ったな!笑

「そんな高級カヌレあるんですか〜?」なんて看護師さん達(笑)

和気あいあいな手術直前。

血圧計やSpO2モニターなどがつけられ、マスクが当てられ、

点滴からは、プロポフォールが流されました。

麻酔科の先生が「私も手術したことあるからわかるけど、この薬気持ちいいよ〜」

なんて怪しい発言を聞いて反応しようとした瞬間には意識が途絶えました(笑)

おかゆ
外科病棟で働いていたときは、しょっちゅう手術室に患者さんを連れて行っていたのですが、まさか自分が手術される患者側になるとは思っていませんでした。麻酔のかかる感覚とか色々初体験でちょっぴり面白かったです←

手術が終わって

「おかゆさーん!」と遠くから声が聞こえます。

20分くらい爆睡したなぁ。あぁよく寝た!

なんて思って目を覚ましたらそこは手術室(笑)

あ、手術したんだった!と思い出しました。

「しっかり覚醒してるね!酸素offでいいよ!」

と手術室を退室する時には酸素のマスクは外されていました。

夫とも軽く面会をし、夫は帰宅。

私は病室へベッドごと運ばれました。

その後、主治医が来て

「旦那さんにも話したけど、1番血が溜まっていた左卵管を摘出して開いてみたら、やはり絨毛成分(赤ちゃんの成分)があってそこで妊娠していたようでした。摘出したものを旦那さんに見せたら写真撮ってたからあとで見せてもらってね。」

と言われ、子宮外妊娠の場所が確定して安心したのと同時に、自分の身体の一部が無くなった喪失感も襲ってきました。

おかゆ
手術で摘出したものは患者や家族に確認してもらうことが多いのだけど、よく考えたら慣れていない人はたとえ自分の身体の一部でも抵抗あるかもしれませんね。
でもそれが赤ちゃん(の素)なので、ちゃんと確認してお別れしてあげるといいと思います。

手術直後から術後1日目

手術自体は1時間程度で終わりましたが、病室へ帰ってすぐに日付を跨いだので

早いことにもう術後1日目です。笑

1時間〜2時間おきのバイタル測定

術直後から数時間は、体温や血圧測定をこまめに行います。

そのため、夜は寝たり起きたりの繰り返しでした。

指示があるまで起きられないので、寝返りは看護師さんの介助で行われ、枕を背中に入れてもらって過ごしていました。

痛みの管理

傷は、お臍と左右に一つずつ、計3ヶ所ありました。

手術直後からフェンタニルという麻薬が点滴から少しずつ持続で流れていたので、痛みは全く感じませんでした。

痛みが強くなった場合は、自分でボタンを押して、フェンタニルを一時的に増量することができますが、私は使用しませんでした。

飲水開始

朝から水分摂取の許可がおりたので、少しだけベッドの頭側をあげてストローで飲水しました。

酸素投与してなかったとはいえ、喉はカラカラだったので水がめちゃくちゃ美味しかったです!

清拭

看護師の私がまさか清拭される日が来るなんて…!

膀胱留置カテーテル(尿を排出する管)が入っているので、院部洗浄もされましたw

脱毛や婦人科の診察でさらけ出すことは慣れていたので、全然恥ずかしくなかったw

おかゆ
あったかいタオルで人に拭いてもらうのってめちゃくちゃ気持ちいいんだなと実感しました。それだけで少し元気になった気がしました。看護で言われる「快の刺激」ってやはり大事なんだなと思いました。

なかなか進まない歩行訓練

血圧が上がらない!?

普段血圧が100〜110台の私。朝になるにつれて血圧が80台まで下がり、眠気が強くウトウト…時々呼吸停止でモニターのアラームが鳴りその音で目を覚ますを繰り返していました。

看護師さんも気にかけてくれて先生に報告したりと、私も少し不安に。。

飲水に合わせて血圧を見ながら少しずつベッドの頭を上げていき、ベッドに座れるまでになりました。

痛み止めのボーラス投与をしたら…

離床するのに痛みが出ないように看護師さんが気を使って痛み止めのフェンタニルを一時的に追加で流してくれました。

すると、強い眩暈と眠気が襲ってきて立つどころじゃなくなりましたw

そんなことをしているうちに病室移動の時間にw

ベッドごと移動するハメになりました。

痛み止めを切り替えたら歩行できるように

これはきっと持続投与されているフェンタニルの影響では?と思ったため、

水も飲めるし昼から食事も再開と聞いていたので、

看護師さんに点滴と痛み止めのフェンタニルを終了することを提案しました!

すると点滴は終了、痛み止めはロキソニンに\( ˆoˆ )/

眠気と眩暈が無くなり、血圧も戻ってきたのでゆっくり部屋のトイレまで歩くことができました。

膀胱留置カテーテル抜去

トイレまで行けたので、おしっこの管を抜いてもらいました!

しばらくはトイレの時痛みがありましたが、その日のうちに痛みはなくなりました。

食事

待ちに待った食事です!

お昼から重湯と柔らかくした副菜が出ましたがあまり食べられませんでした。

夕飯はお粥と軟菜食でした。お粥嫌い。

翌日からは普通の食事で、食欲も回復してきたので完食することが出来ました。

消灯後、寝られず

昼間にフェンタニルの影響で寝過ぎたせいか、全く眠くならなくて困りました。

産婦人科病棟でしたが、お部屋は赤ちゃんや妊婦さんのいない婦人科エリアの端っこに配慮されていました。

それでも夜間静まり返ると遠くから新生児の鳴き声が聞こえてきます。

『どうして私が…』という気持ちでひたすら涙が溢れてきて一晩中泣いていました。

術後2日目

泣き疲れいつの間にか寝ていた私ですが、いつも6時には目が覚めますw

この日から病棟外まで歩行OKとなったので売店まで行ってお菓子や飲み物を買ったりしました。

歩くと傷口がムニュムニュしたり、痛みもあったので傷口を押さえながらゆっくり歩行していました。

シャワーの許可

シャワーの許可が降りたので朝イチでシャワーを浴びてスッキリしました!

傷口は、術直後から防水の絆創膏が貼られている状態なので、そのままシャワーを浴びても大丈夫です◎

生理痛の開始

術前から出血は少しずつ始まっていましたが、術後からは出血量が次第に増えていきました。

この日は生理痛がかなり強く、ロキソニンをもらって内服しても痛すぎてベッドで丸くなっていました。

しかし、急に痛みが無くなりトイレに行ったところ、親指大の巨大な塊を産んでいました…

看護師さんに報告すると持っていかれましたw

おそらく妊娠した時に増幅した内膜の成分の一つなのでしょう。

それからは生理痛はほとんど無くなりました!

この日も寝られず

やはり夜間になると遠くから聞こえてくる新生児の鳴き声…

食事しか楽しみがない入院生活は、暇な時間がほとんどで色々と考えてしまいます。

2時間くらいは眠ったでしょうか。身体的にも精神的にも疲労感が溜まってきました。

術後3日目

とうとう耐えきれなくなった私は、看護師さんに退院できないか聞いてみました。

「そうだよね。辛いよね。」と話を聞いてくれた看護師さん。

先生に伝えてくれるそう。やったぁ!

術後の傷の確認と内診

朝の回診で来た先生がなんと手術してくれた先生(主治医ではないが上級医)でした!

これなら話が早いと退院を確信した私。

「退院したいんだって?看護師さんだしお家にもお医者さんいるし大丈夫かな!」

傷口のテープを剥がして確認し、傷口もオッケー!

「内診で大丈夫そうだったら退院にしましょう!」と言われ、

すぐに内診してくれました。先生神!!!!

内診後に先生から画像を見せてもらいながら手術当時の様子や今後の説明を受けました。

本当は30分くらいで終わる手術なんだけど、なるべく卵管は温存したいし、いろんなところに血混じりの水が溜まっていたから、どこで子宮外妊娠が起こるか確定するのに時間がかかりました。
左の卵管付近が1番水の溜まっていたところだったので左の卵管をとって開けたところ、絨毛成分があったので手術終了となりました。
子宮外妊娠はエコーでは見えないし、MRIを撮っても映らないので、実際は開けてみないとわからないんです。
妊活は1回目の生理が来てから再開してくださいね。

ということで退院確定◎

夫に迎えに来てもらい午前中のうちに退院できました。

おかゆ
ラーメンが食べたくてラーメン屋さんに行ったのですが、結局チャーハンしか食べられませんでした(笑)退院したと言っても術後3日目ですもんね。迎えに来た夫も私の顔色を見て驚くほどでした(笑)

術後4日目(写真あり)

動くとお腹の傷はまだムニュムニュしたり、痛みが若干残っており、歩くときも慎重に歩いていました。

腹腔鏡下の手術はお腹に二酸化炭素を入れて膨らませることによって空間を作り、その中で手術をするので、術後もお腹が膨らんだ状態となります。

傷口の表面は縫っていません(縫っているのは内側だけ)。

傷口用のテープを傷に向かって垂直に貼って止めている状態ですが、もう4日目なので表面の傷口はしっかり塞がっています。

退院後初めての外来受診

私の主治医は緊急手術当日に当番だった先生で、専門医では無い若手の先生でした。

そのため、外来は予約時間前に行ってもきっと診てくれるだろうなと予想して、1時間早く行ったところ、予想通りすぐに呼ばれました(笑)

内診と傷の確認を終え、

全て大丈夫です。これで終診です。」と。

「卵管破裂していないので、採血をしてhcgの値も測らなくて大丈夫ですよ。」

えっ!?もう終診!?ちょっと寂しい気持ちの私。笑

傷は内部が盛り上がっており、ケロイドになる恐れがあるとのことで

先生からこちらを紹介してもらいました

傷が完全に綺麗になるまで数ヶ月かかるとのことで、

とりあえず2箱を外来の支払い待ちのときに楽天で買いました。

いろんなサイズがあり、帝王切開などされる方は当たり前のように使用しているようです。

こちらは術後1ヶ月程度経ったお腹ですが、アトファインを貼るとこんな感じです。

おかゆ
このままお風呂に入れます!シールは5〜7日毎に交換するだけ◎

術後1ヶ月(写真あり)

退院してから少しずつ散歩や家事を始めて、一週間程度で普段通りの生活に戻りました。

短時間の手術でしたが、やはり体力は落ちていました。

また、下がった血圧も完全に戻ってないため、立ち眩みがひどかったです。

お腹はこんな感じになりました。

お臍は腫れていたのですが、だいぶ引っ込んできましたし、

お腹のぽっこりもほとんどなくなりました!

傷の内部の盛り上がりは小さくなりましたが、表面の色もやはりケロイドになりそうな気配があるため、アトファインはまだ継続して貼っています。

仕事について

仕事は手術した週の一週間はお休みをいただきました。

先生からは、仕事は次の外来まで休んでほしいと言われましたが、フルタイムではないので、先生の許可を得て、翌週から再開することにしました。

散歩や家事でリハビリをしたおかげか、いつも通りに働くことができました。

精神面について

術後からしばらくは、メンタルがボロボロな状態でした

傷よりもメンタルの方がケアの必要がありそうです。。

入院中は食事しか楽しみがなく、ほとんどの時間暇です。動画や漫画にも限度があります。

術後すぐはそんなにたくさん歩けるわけでもないので、どこへも行けません。

暇だとやはり色々考えてしまうものです。

前述していますが、私の場合は夜になると遠くから新生児の鳴き声が聞こえてきたので、ダメージが大きかったです。眠ることなんてできず、ひたすら泣いていました。

ホルモンバランスが崩れている影響も大きいと思います。

1ヶ月経っても、ふっとよぎる赤ちゃんを失った悲しみ。

自分が出産年齢ということは、周りの友達も同様。

無事に妊娠や出産を迎えている友達も多く、「羨ましい」という気持ちや、「なんで私が」という気持ちでいっぱいになることも。

おかゆ
自分なりに区切りをつけて、前向きに次のステップへ行けるように、この時期は人のことよりも積極的に自分へのケアをするよう専念するべきだと思います。

私なりの対処法

① 早期に退院!自宅で療養する

② 好きなものを食べる

③ リハビリがてらお散歩をして神社へお参りする

④ 泣きたい時は我慢しないで泣く

⑤ 辛い時は夫を頼る

⑥ SNSで同じ状況の人を探す

⑦ SNSの鍵垢でちょびっとつぶやいてみる

おかゆ
思い切って⑦で子宮外妊娠したことを報告したら、友達からたくさんメッセージをもらいました。特に私の心に刺さったのは久しぶりに連絡してきてくれた大学の後輩からのメッセージ。後輩がくれた「誰とも比べず」という言葉をこれからも大切にしていきたいなと思いました。

入院費用

夜中の手術のため3泊4日の入院(緊急入院+手術)で、

26.5万円でした〜!!!高いっ!!

高額療養費制度を利用

入院がわかってから、保険証の団体に問い合わせをして高額療養費制度の認定証をもらっていました。それを使用すれば、入院費が安くなる場合があります(所得に応じる)。

領収書の間違いを発見!

みなさん普段、医療費の領収書ちゃんと見ていますか?

不要に請求されていることって多いんですよ(保険会社の人が言ってた)

私の場合は、入院当日の術後に入る一般病棟のベッドが空いておらず、

HCUで術後管理をされました。

その時に看護師から、重症加算は取らないと言われたのですが、

領収書を見てみると、「ハイケアユニット入院加算」が取られていました。

私も医療事務ではないので、よくわからないのですが、

なんとなくこの加算は不要なものだと思ったので、

勇気を出して受付で聞いてみました!

すると、「間違っていました」とのことで、5000円も返ってきたのです!

おかゆ
なるべく入院費を抑えたかったので、入院中も自前のパジャマやタオルを使用して病衣は借りなかったり、テレビやWi-Fiは使わないようにしていました。

保険会社を利用

私は民間の医療保険に入っていなかったので、高額療養費制度で減額された金額を払うことになってしまいましたが、

民間の医療保険に入っていれば、全額返ってくることも。余るくらいの人もいるようです。

結婚してからは、保険に入っておくべきだったなと後悔しました。

術後すぐに保険紹介会社を利用して生命保険やがん保険に加入しました。

おかゆ
術後だと入れないと思っていたのですが、保険屋さんに相談してみると、
そんな私でも入れる保険がいくつかありました!

今後の妊活を考える

今回、私は左の卵管をとりました。果たして次の妊娠はできるのだろうか?

妊娠のしやすさについては、先生からは変わらないと説明を受けました。

卵管は実際にはやや後ろの方に向かって伸びているので、卵管が一つしか無くても、両方の卵巣から排卵した卵をキャッチできるそうです。

ただ、両方の卵管を摘出した場合は、妊娠が難しいので体外受精などを考える必要があるそうです。

妊活再開は1回生理を見送ったらOK

私の場合は、手術で卵管を取ったのみで子宮内を掻爬したりしなかったので、子宮環境は変わっていません。

そのため、次の生理がきて排卵のリズムが整ってきたら、妊活を再開しても良いと先生から言われました。

おかゆ
病院によって再開の時期が色々と違うようなので、理由を聞いた上で先生の指示に従ってくださいね。
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